薬剤師のお薬手帳問題は電子お薬手帳「harmo」薬局商用化スタート

薬剤師のお薬手帳問題は電子お薬手帳「harmo」薬局商用化スタート

ソニー株式会社は2011年以降、地域限定で電子お薬手帳のharmo(ハルモ)の試験サービスを行っていましたが、2016年7月26日に公式発表した内容では、一定の月額利用料を徴収し、調剤薬局を含む医療機関への本格的な事業化を行っていく考えを示しました。

harmoはこれまでの試験サービスで、合計880か所の医療機関へ導入されており、既に利用者は75000人を超えています。実際、harmoを導入した調剤薬局の薬剤師からは、「高齢者や乳幼児以外の40~60代を中心とする現役世代のお薬手帳の持参率が高まった」という声が上がる試験結果となりました。

これまでは、現役世代の持参率が極めて低いということが薬剤師の間で問題視されていましたが、ICカードやスマートフォンに慣れた現役世代は積極的にharmoを利用していることが分かり、今回の本格的な事業化を行っていく方向となりました。

電子お薬手帳とは

お薬手帳は、その患者が使用している薬の名前や過去のアレルギー情報・副作用経験等を継時的に記録するものであり、紙媒体のお薬手帳が主流でした。

最近ではそのような紙のお薬手帳に変わり、スマートフォンで簡単に確認できる「電子お薬手帳」が次々に開発されたのです。電子おくすり手帳が誕生したきっかけは東日本大震災です。当時、お薬手帳を持参していた患者においてはスムーズに処方されることができました。

その出来事を機に、多くの人が避難時に持ち出すスマートフォンに薬の情報を入れておけば安心だろう考えられ、電子お薬手帳が開発されたのです。

 

ICカード型電子お薬手帳harmo(ハルモ)が誕生の理由

harmoが生まれた理由は、開発者である副士氏自身の病気体験です。2000年代半ば、同氏は原因不明の体調不良が半年間続き、沢山の病院を渡り歩く状況が続いていました。しかし、度々お薬手帳を持参し忘れ一気にお薬手帳が何冊にも増えてしまったことに加え、同じ薬を違う病院で処方されることが続いたのです。

そのため副士氏はお薬手帳に頼るのではなく、これまでの処方履歴を自身でパワーポイントにまとめ医者に見せるという行動を起こしました。

しかし、担当の医者からは「こんなことをするから病気になってしまったのではないか」と言われてしまったのです。このような苦い経験を通し、今回のharmoのような、患者の服薬情報を医者や薬剤師にスムーズにするシステムの開発にいたったのです。

 

医者や薬剤師に知らせるアプリとの連動

harmoは、交通系や電子マネーで使用されている非接触ICカード技術を使用しており、患者はharmoカードをタブレットにタッチするだけで、患者自身のこれまでの調剤歴情報を医者や薬剤師に知らせることたができます。

更に、専用のカードと併用してスマートフォンのアプリを併用することで、飲み忘れ防止などの服薬管理をすることも出来るようになっています。また、harmoに記憶された患者の調剤履歴はデータセンターへ保存されるため、カードやスマートフォンを紛失したとしてもデータが消えることはない、安全なデータ管理システムをとっています。

 

harmo(ハルモ)のメリット

最近では複数の企業がお薬手帳の電子化に乗り出していますが、その中でもharmoならではのメリットとしては以下の点が挙げられます。

  • スマートフォンを持たない世代でも利用できる
  • 患者のプライバシーに対する安全性は高い
  • 薬剤師と患者のコミュニケーションツールになる
  • 薬剤師がタブレット画面で簡単に患者の背景を知ることができる

このようにharmoの導入によって、薬剤師側の業務の効率化と共に幅広い患者の薬に対する意識をあげることが期待できるのです。

 

harmo導入の費用(初期手数料・機材購入費)

harmo導入にかかる費用は初期手数料が54900円(harmoカード100枚含む)、機材購入費が49800円、月額手数料が8900円となっており、また、2016年7月現在、harmoのサービス該当エリアは札幌市、埼玉県、東京都、神奈川県、滋賀県、大阪府、兵庫県ですが、今後は順次、導入エリアが拡大されていくことが示唆されています。

まとめ

せっかく患者にお薬手帳を渡しても、次来るときには手帳を持ってくるのを忘れられてしまい、「お薬手帳が全然有効活用されていない」と感じている薬剤師の方も少なくないでしょう。最近では公共機関において高齢者も積極的にICカードを利用している背景もあり、ICカード化されたお薬手帳であれば忘れずに持ってきてくれる可能性は高くなることが考えられます。

また、本文でも述べた通り、現役世代の持参率が上がることは、まさに現役世代である薬剤師の方なら何となく察しがつくのではないでしょうか。お薬手帳の持参率向上を課題としている調剤薬局は、harmoの導入について検討してみてはいかがでしょうか。

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